Google CloudにOAuth認証用アプリを登録する方法(Ver7.30対応版)(2024年3月15日更新)
 秀丸メールにGmailのアカウントを登録してメールを送受信する場合、今現在は、OAuth認証という方式で認証しないといけない状況になっています。パスワードを使ってログインする方式はほぼ使えません。
 OAuth認証の場合、「秀丸メール」というアプリに対してアクセス許可することが基本になりますが、これが成立するためには、秀丸メールというアプリに対してGoogle側が審査し許可していることが前提となります。何らかの理由でその許可が取り消しになると、秀丸メールを使ってGmailにOAuth認証でログインすることが出来なくなり、メールの送受信も出来なくなってしまいます。

 Googleによるアプリの審査は年々厳しくなってまして、2023年頃から「CASA Tier2」と呼ばれるセキュリティの審査を毎年通すことが要求されるようになりました。この審査は非常に厳しいために、今後継続して審査に合格しつづけられるかどうか、正直不安な状況にあります。なので、万が一秀丸メールが審査に通らなくなってGmailにアクセス不可となる事態を想定し、ユーザー様が代替となるアプリを登録してそれでアクセスしてもらう方式を用意しています。ユーザー様がGoogle Cloudコントロールにログインしてそこでアプリ登録をし、結果得られた「クライアントID」と「クライアントシークレット」を秀丸メールに登録すると、それを使ってOAuthログインできるようになります。


アプリ登録方法:
1.Google Cloud(https://console.cloud.google.com)にアクセスします。普通だとGoogleにログインする画面が出てきて、ログインに成功すると、Google Cloudの利用規約に同意する画面が出てきます。同意するとGoogle Cloudの「コンソール」に移動するか、または「無料で開始」のようなページが出てきます。「無料で開始」が出てきた場合は、そこの中に「コンソール」があるはずなので、それをクリックすれば、コンソールに移動します。「無料で開始」をクリックするとクレジットカードの番号の入力などが求められるので、そこはクリックしないのがお勧めです。

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2.Google Cloudのトップページは以下のようなページになります。左上に「Google Cloud」があることを確認します。

Google Cloud Consoleトップページ

3.「プロジェクトの選択」をクリックします。

プロジェクトの選択をクリック

4.右上に「新しいプロジェクト」があるのでそれをクリックすると、新しいプロジェクトが作成できます。

プロジェクトの作成

5.「作成」をクリックして作成します。

プロジェクトの作成

6.通知として出てくるポップアップの中の「プロジェクトを選択」をクリックするなどして、先ほど作成したプロジェクトを選択します。

プロジェクトの選択

7.ダッシュボードが出てきます。そこにある虫眼鏡アイコンをクリックすると、検索が出来ます。

ダッシュボード

8.検索欄に「gmail」と入力して出てくる候補をスクロールすると、「Gmail API」があるので、それをクリックします。

検索欄にgmail apiを入力

9.Gmail APIの概要が出てきます。そこにある「有効にする」をクリックします。

Gmail APIを有効にする

10.認証情報が必要と出てきます。「認証情報を作成」をクリックします。

認証情報を作成

11.使用するAPIは「Gmail API」が最初から入っています。アクセスするデータの種類には「ユーザーデータ」を選択して「次へ」をクリックします。

ユーザーデータを選択

12.アプリ名は適当に入力し、ユーザーサポートメールの欄には自分のメールアドレスを入力します。

アプリ名の入力など

13.アプリのロゴはそのまま放置し、「デベロッパーの連絡先情報」には、これまた自分のメールアドレスを入力します。「保存して次へ」をクリックします。

連絡先の入力など

14.スコープについては何もいじらずに、そのまま「保存して次へ」をクリックします。

スコープ指定はスルー

15.アプリケーションの種類には「デスクトップアプリ」を選択し、名前は適当に入力します。最後の「作成」をクリックします。

デスクトップアプリの指定

16.認証情報が作成されるので、ダウンロードをクリックしてダウンロードします。ダウンロードしたファイルは拡張子が「.json」になってますが、普通にテキストエディタ(メモ帳など)で開いて中身を見ることが出来ます。
認証情報のダウンロード

17.左側にある「OAuth同意画面」をクリックするなどしてOAuth同意画面のページに戻ると、そこに「公開ステータス」があるはずです。そこの「アプリを公開」をクリックします。

公開ステータスの変更

18.「本番環境に push しますか?」の問い合わせが出るので「確認」をクリックします。

本番環境の確認

19.公開ステータスが「本番環境」になります。公開ステータスを「テスト」のままで、下の方にある「ADD USERS」をクリックしてテストできるユーザーを追加して使う作戦も可能です。

ユーザーの追加

20.「16」の所でダウンロードしたjsonファイルをメモ帳で開くなどして中身を確認します。
"client_id":"......."
"client_secret":"......."
のような内容があるはずなので、その中身("......."の中身だけ)をコピペして秀丸メールの設定欄に入力します。jsonファイルが無い場合でも、クライアントIDおよびクライアントシークレットはGoogle Cloudの「認証情報」の中から参照できます。

21.秀丸メールの「アカウント毎の設定・メールサーバー」の「OAuthログイン」ボタンを押してログインを試みます。そうすると「このアプリは Google で確認されていません」と出てきますが、正しい動作です。そこをよく見ると「詳細」があるのでそれをクリックすると、その先に「テスト(安全ではないページ)に移動」があり、そこをクリックすると通常のOAuthログインのページに移動します。そこで「続行」をクリックすれば、OAuthログインに成功するはずです。
OAuthログインの画面