全般的な設定・上級者向け・デバッグ・ソケット(Ver7.35対応版)
 ここのオプションは、特定のアンチウイルスソフトや特定のメールサーバー、特定のファイヤウォール系ソフトとの間でうまくいかないらしい問題を調査するための設定です。

 いろいろいじるとトラブルが解決するかもしれませんが、普通はいじらない方がいいです。
IPv6禁止(IPv4のみ接続)
 Windows10の場合に限り、秀丸メールはIPv6またはIPv4の両方に対応した方式でメールサーバーへ接続しようとします。ここのオプションをONにすると、IPv4方式での接続に限定されるようになります。
 Windows7やWindows8.1、またはそれより古いWinddowsの場合は、そもそも的にIPv4でしか接続できません。
 ここのオプションをONにすると、GetAddrInfoExってAPIを使わずに、従来通りのWSAAsyncGetHostByNameってAPIを使うようになります。


IPv4よりIPv6を優先
 接続先のホスト名からIPアドレスを取得しようとして、IPv4とIPv6の両方のアドレスが取得できた場合、普通はIPv4での接続が優先されます。ここのオプションをONにすると、逆にIPv6での接続が優先されます。

OAuth認証の後の受信時でエラーが出る場合
 OAuth認証で通信する時に、サーバーから「NOT CONNECTED」のようなエラーが返ってしまう場合があります。これはOAuth認証の時のブラウザによる通信がIPv6になっててメールクライアント(秀丸メール)の通信がIPv4になってて、結果、接続元のIPアドレスが別であると判断されたことが原因だと思います。この場合はここの「IPv4よりIPv6を優先」をONしてOAuthログインからやり直すと解決する可能性が高いです。


UIDLが不正と思わしき時は受信しない
 POPサーバーにUIDLコマンドを送って返ってくる応答が不正と思わしき時に、受信を中断します。
 ここのオプションがOFFの場合、UIDL文字列が不正であると思わしき状況でも、とりあえずメールの受信を実行します。その結果、同じメールを重複して受信することがあります。そういう重複受信を防ぐためには、ここのオプションをONにしてください。


UIDLが不正と思わしき時でもエラーメッセージを出さない
 UIDLが不正と思わい時には、「UIDLが不正と思わしき時は受信しない」のオプションがON/OFFに関係なく、基本的にはエラーメッセージが出ます。
 ここのオプションをONにすると、エラーメッセージを出さないようにしてしまいます。
 ここのオプションをONにしつつ、「UIDLが不正と思わしき時は受信しない」もONにすると、UIDLが不正な時はメールを一切受信しないでエラーも出さずに受信を終了します。UIDLが不正になるケースがたまーにあるような場合には両方ONで使うのがいいかと思います。


UIDLの行数がLISTの行数より多い場合もエラー扱いする
 メールサーバーによって、UIDLの行数がLISTの行数よりも多くなってしまう場合があるようですが、普通はこういう場合は多い分のUIDL文字列を無視する(エラー扱いしない)動作となります。
 ここのオプションをONにすると、そういうケースでもちゃんとエラー扱いにします。


IGNORE CLIENT CREDENTIALS
 昔デバッグ用に用意した物なので、今はたぶん意味が無いと思います。動作としては、InitializeSecurityContext関数を呼び出してSEC_I_INCOMPLETE_CREDENTIALSが返った時に、クライアント証明書の作成をしないままInitializeSecurityContextの再試行をするような動作になっているようです。???


OAuth認証/Graph APIにWinInet使用(OFFだとWinHttp)
 OAuth認証やGraph APIで秀丸メールが「https:」の通信をする場合、秀丸メールのVersion 7.34β8から「WinHttp」というAPIを使って通信します。それより古い秀丸メールは「WinInet」というAPIを使います。ここのオプションをONにすると、秀丸メールのVersion 7.34β8以降でも古い秀丸メールと同様にWinInetを使ってhttps:の通信をするようになります。
 WinInetを使う場合でWindows11の場合、TLS1.3が有効になるようで、これのせいで、特にマイクロソフトのサーバーとの通信がうまくいかないことがあるようです。それの回避のために、WinHttpを使うようにしつつ、WinHttpではTLS1.2固定で通信します。
(WinInetではTLSのバージョンを秀丸メール側から指示することが出来ませんが、WinHttpでは指定可能なので、そのためにWinHttpに変更しています。)
 普通はOFFのままでいいはずでが、もしもTLS1.3でのhttps:通信を試したい場合はONにしてみてください。(Windows11の将来のバージョンではTLS1.3でも大丈夫になるかもしれません。)