全般的な設定・ウィンドウ・文字の描画(Ver7.22対応版)
3Dグラフィックスアクセラレータによる文字の描画
 Windows7の新機能である、Direct2D / DirectWrite の仕組みを使い、3Dグラフィックスアクセラレータを使って文字を描画するかどうか指定します。
 メール一覧の中の文字の描画と、メール内容枠中の文字の描画と、メール内容枠のタイトルバーの中の件名の部分について、この仕組みを適用することが出来ます。
 この機能を使うには、Windowsの種類がWindows7以上であるか、またはWindows Vistaの場合には「Widows Vistaプラットフォーム更新プログラム」を別途インストールする必要があります。WindowsXP以下では使えません。
 Windows Vistaプラットフォーム更新プログラムについては、「kb971644」でインターネット検索すると詳細が出てきます。

 ここのオプションのうちの「メール一覧」と「メール内容枠」について、Windows8.1以下ではデフォルトOFFですが、Windows10ではデフォルトでONになります。(V6.87β10より)

 「メール内容枠のタイトルバー」は、その名の通りメール内容枠のタイトルバーの中にある件名や差出人の描画方式を指定します。絵文字をカラーで表示したい時はONにするといいですが、人によって保護違反が出るケースがあるみたいなので、オプションにしています。
 「フォルダ枠」については、フォルダ名に絵文字を使いたい場合にはONにするといいです。絵文字を使わない場合はOFFにした方がいいと思います。ONにして絵文字を表示させる場合、文字が枠からはみ出して欠けるケースがあります。


アンチエイリアスの方式
 3Dグラフィックスアクセラレータで文字を描画する時の、アンチエイリアスの方式を指定します。アンチエイリアスというのは、いわゆる文字をなめらかに描画する方式のことです。
 「ClearType高繊細」にすると、普通のClearTypeと違って上下方向についてもアンチエイリアスが効くようになっていいみたいです。ただ、そのままだとちょっと偽色が出やすいので、ClearTypeのレベルを30%程度に落として、さらにコントラストは100%を指定するのがいいんじゃないかと思います。
 「アウトライン式」を指定すると、メール一覧ではうまくアンチエイリアスがかかりますが、メール内容枠ではおかしな描画になります。(作者の環境だと)。これの理由はいまいち分かりませんが、Windows SDKに付属のサンプルでテストしても同じだったので、たぶんそういう物(まだ未サポート)なんだと思います。

 「ClearType高繊細」と「アウトライン式」以外については、文字のサイズが小さい場合で日本語用のフォントだと、ほとんどアンチエイリアスが効かないようです。

 「アンチエイリアス無し」、「GDI CLASSIC」、「GDI NATURAL」だと、文字ピッチがピクセル単位に補正されて、結果として英文字のピッチが一定せず、いびつになることがあります。さらに、太字の描画で文字がダブって見えることがあります。なのでこの3つの方式はお勧めしません。


コントラストの指定
 アンチエイリアスをかける時のコントラスト(enhanced cotrast)という値を指定することが出来ます。これは100%にしてやった方が文字がくっきりしていいんじゃないかと思いますが、くっきりさせるとその分なめらか度合いは下がるような気もします。


ClearTypeLevelの指定
 ClearTypeでの色の付き具合を指定するようでして、0%を指定すると、ClearTypeじゃなくて普通のアンチエイリアスになります。100%にすると偽色が出やすくなっていまいちな気がします。


カラー絵文字
 Windowsにカラー絵文字フォントが備わっている場合に、絵文字をカラー絵文字フォントに置き換えてカラーで描画します。カラー絵文字フォントは「Segoe UI Emoji」を使います。
 2015年4月の時点では、カラー絵文字フォントのサポートはWindows8.1以上のみの対応となっているようです。
 ここのオプションがOFFの場合でも、フォントに「Segoe UI Emoji」を選択すれば、絵文字がカラーで描画されます。

 ここのオプションはWindows8.1以下ではデフォルトOFFですが、Windows10ではデフォルトでONになります。(V6.87β10より)
 ここのオプションをONにしてもカラー絵文字にならない文字も存在します。例えば半角文字との結合でカラーになる「囲み数字」の類はカラーになりません。または時代の進化によって後で追加された絵文字で対応がまだ追いついてないケースもあるかもしれません。後から追加された絵文字については作者に連絡いただければ対応できる可能性が高いです。


ちらつき防止の描画方式
 このオプションはVersion 7.12β3で廃止しました。ON固定相当になります。


補足
 アンチエイリアスやコントラスト等の指定については、「DirectWrite Antialias」とかのキーワードでインターネット検索などすると、いろいろとヒントが出てくるようです。その辺も参考にしてほしいです。

 噂によると、DirectWrite / Direct2D関係についてはまだドライバーにバグがあったり未サポートの部分があったりしてうまく描画されないケースもあるそうです。そういう場合はアンチエイリアスの方式をいろいろ変えてみるなどしてください。

 「ClearType(高繊細)」を指定する場合は、「全般的な設定・ウィンドウ」の「メール一覧のフォント」の「選択▼」ボタン中のメニューの「太字描画に本物の太字フォントを使う」をONにした方がきれいになると思います。

 それとあと、DirectWrite / Direct2D を使うと、Windowsを起動してから一番最初の秀丸メールの起動はかなり遅くなってしまいます。DirectWrite / Direct2D用のライブラリをロードするのに時間がかかるので、これも仕方が無いと思います。


性能(パフォーマンス)について
 3Dグラフィックスアクセラレータを使って文字を描画する設定にすると、描画性能が極端に遅い場合があります。こちらで確認した所では、以下のケースで極端に遅くなりました。

  1. 秀丸メールを起動する用のショートカットの「互換性」ページでの「互換モードでこのプログラムを実行する」をONにしているケース。
  2. 秀丸メールのプログラムが保護違反を何回か発生させたことによって、「フォールト トレラント ヒープ」が有効化されてしまったケース。

 「2.」のケースについては、レジストリエディタを使って「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags\Layers」の中にあるデータを削除することで回復するようです。詳しくは「フォールトトレラントヒープ」でインターネット検索するなどして調べてみてください。
 3Dグラフィックスアクセラレータを使った文字の描画の性能は、アンチエイリアスの指定の仕方によってもだいぶ変わるようです。また、たぶんですが、DirectX 11にハードウェアで対応したアクセラレータを使えば、より高速になるんじゃないかと思います。